仙腸関節の可動性(腰痛・頸部痛の背景):ASISの高さで側を決め、大腿筋膜張筋から見る
前提
仙腸関節は動くかどうかに議論がある関節です。藤井翔悟の解説動画は、この議論に立ち入らず、前提を明示して進めています。「仙腸関節自体は実際に動く、可動性があるというところを前提条件としてやる」「手でいろいろなものを変えたりする人間からすると、手の下でいろいろなものを感じる」(出典1)。
この辞典も同じ前提で書きます。前提が違う読者は、この項を評価の一案として読んでください。
症状の分け方
対象は、仙腸関節の可動性の低下が背景にあると考えられる腰痛・頸部痛です。動画では「仙腸関節の可動性が良くないことによって、首が痛いとか、腰痛になっている方が実際多い」と、腰だけでなく首まで含めています(出典1)。
まず、仙腸関節の周囲にどんな筋があるかを把握します。動画が順に挙げているのは、大殿筋、中殿筋、大腿筋膜張筋と腸脛靭帯、そして多裂筋(仙骨から脊柱に沿って頸椎まで続く)です(出典1)。「一個一個の筋をどう緩めるかが、仙腸関節の可動性を出す話につながる」というのが動画の結論です。
辞典に書いた評価と触る場所を、実際に手を直してもらいながら身につける場がセミナーです。まずLINEで無料動画を見て、説明の仕方が自分に合うか確かめてください。
LINEで無料動画を受け取るセミナーの日程を見る評価の順番
- 仰向けで、左右のASIS(上前腸骨棘)に指を置く
- 高さの差を見る。「縮こまっている」側(骨盤が引き上がって見える側)を確かめる
- 縮こまっている側を「可動性が悪い可能性がある側」として仮に置く
- その側の大腿筋膜張筋の筋腹を、ASISの下外側から触り、反対側と比べる
- 硬さが一致すれば、そこから見る。一致しなければ、大殿筋・中殿筋・多裂筋へ順に移る
動画の説明は次の通りです。「ASISの高さがまず揃っているかどうか見て、揃っていないところで、特に縮こまっている側があれば、そちら側の仙腸関節の可動性が悪いことが非常に多い」「邪魔しているのが前側のこいつ、大腿筋膜張筋」(出典1)。
触る場所:ASISから大腿筋膜張筋へ
| 筋 | 目印 | 触り方 |
|---|---|---|
| 大腿筋膜張筋 | ASISの下外側。腸脛靭帯へ続く | ASISに指を置き、下外側へずらして筋腹を触る。左右で硬さを比べる |
| 大殿筋 | 仙骨外側縁〜大腿骨 | 腹臥位で殿部の大きな筋腹を比べる |
| 中殿筋 | 腸骨稜の下 | 側臥位で腸骨稜のすぐ下を比べる |
| 多裂筋 | 仙骨から脊柱に沿う | 棘突起の脇を上下にたどる |
動画が最初に大腿筋膜張筋を挙げる理由は、「前のところの大腿筋膜張筋が、この仙腸関節の硬さと実は連動している、リンクしている。この知識を持っていれば、仙腸関節を調整することや殿部の筋を緩めることが非常に楽になる」からです(出典1)。
再評価の仕方
- 大腿筋膜張筋を緩める方向に触ったあと、もう一度ASISの高さを左右で見る
- 差が小さくなったかを確かめる
- 患者に、腰や首の動かしやすさが変わったかを聞く
ASISの高さは、評価にも再評価にも使えます。最初の高さの差を、言葉で記録しておきます。
よくある取り違え
- 痛い場所から触る:腰や首が痛いからと、そこから触り始める。この型では骨盤の高さから入ります
- 後ろの筋だけ見る:大殿筋や多裂筋だけを見て、前側の大腿筋膜張筋を見ない。動画は前側から入っています
- 前提を言わない:仙腸関節が動くという前提は、患者にも同僚にも言葉で伝えます。前提が共有されていないと、評価の意味が伝わりません
- 効果を断定する:ASISの高さの差が変わったことは、関係の確認であり、症状の改善の約束ではありません
次の項目
- 膝痛(可動域の途中で出る痛み)/(ある角度から先がずっと痛い)
- 後脛骨筋と膝・足関節の負担
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LINEで無料動画を受け取るセミナーの日程を見る- 藤井翔悟「仙腸関節」解説動画の文字起こし(仙腸関節の可動性を前提として扱う理由、周囲の筋(大殿筋・中殿筋・大腿筋膜張筋・腸脛靭帯・多裂筋)、ASISの高さの左右差、縮こまっている側の可動性、大腿筋膜張筋と仙腸関節の硬さのリンク):株式会社藤井翔悟事務所 内部資料